『Just Keep Buying』を読んだ。
投資についてはこれまでも本を読んだり、自分で調べたりしてきたので、書かれている内容には知っているものも多かった。
それでも、自分がこれまでやってきた投資を振り返るきっかけにはなった。
特に、投資を始めた頃にまとまった貯金を数年かけて投資したことについては、もう少し自分で考えるべきだったと思った。
まとまったお金があるなら、できるだけ早く投資する
本の中で印象に残ったことの一つが、まとまった投資資金がすでにあるのであれば、できるだけ早く投資するという考え方だった。
株価が下がるまで待ったり、長い時間をかけて少しずつ投資したりすると、その間はお金が市場に参加していないことになる。
もちろん、投資した直後に株価が下がる可能性はある。
ただ、長期的には資産が成長していくと考えて投資するのであれば、投資する時期を先延ばしにすることにもコストがある。
現金で持っている間に市場が上昇すれば、本来得られたはずの利益を逃すことになる。
「投資するリスク」だけではなく、「投資しないリスク」も考える必要があるということだと思う。
投資を始めたとき、もっと自分で考えればよかった
この部分を読んで、自分が投資を始めた頃のことを思い出した。
当時、ある程度まとまった貯金を持っていた。
ただ、それを一気に投資するのは怖かったので、数年にわたって少しずつ投資した。
ドルコスト平均法で投資したほうが安全そうだ、くらいに考えていたと思う。
今考えると、その判断による損失もあったはずだ。
投資する予定だったお金を数年間現金として持っていたので、その期間の市場の値上がりには参加できていない。
もちろん、これは結果を知った今だから言える部分もある。
投資を始めた時点では、その後に株価が上がるか下がるかは分からない。
それでも、一括投資と分割投資で過去にどの程度結果が違っていたのか、自分で調べることはできた。
例えば、
- 一括投資した場合
- 1年かけて投資した場合
- 3年かけて投資した場合
で、過去のデータではどのくらい結果に差が出ていたのか。
その程度なら、自分でも計算できたはずだ。
もっと早く投資について勉強してもよかったし、分からないのであれば自分で数字を入れて考えてもよかった。
「一括投資は怖い」「ドルコスト平均法なら安心」というイメージだけで決めてしまった部分があったと思う。
投資の結果には運もある
もう一つ印象に残ったのが、投資の結果は運にも左右されるということだった。
同じような投資をしていても、投資を始めた時期や、資産を取り崩し始める時期によって結果は変わる。
特に問題になるのが老後だと思う。
資産形成中であれば、株価が大きく下がっても投資を続けることができる。
むしろ、安くなったところで追加投資することもできる。
一方で、老後になって投資資産から生活費を取り崩しているときに株価が大きく下落すると状況が違う。
値下がりした資産を生活費のために売却すると、その後に相場が回復しても、売ってしまった分は回復しない。
そのため、老後が近づいてきたら株式だけを持つのではなく、債券などの比較的値動きの小さい資産へ少しずつ移していく必要がある。
資産を増やす時期と、資産を使う時期では、同じポートフォリオが最適とは限らないということだと思う。
リバランスは売らなくてもできる
リバランスについても参考になった。
例えば、
- 株式80%
- 債券20%
という割合にしたいのに、株価が上がって株式の割合が90%になったとする。
この場合、株式を売って債券を買えば元の割合に戻せる。
ただし、方法はそれだけではない。
新しく投資するお金を債券に多く振り向けることで、少しずつ元の割合に戻すこともできる。
資産形成中で、これからも定期的に投資を続けるのであれば、この方法は使いやすそうだ。
リバランスというと「増えすぎた資産を売る」というイメージがあったが、「足りない資産を買う」ことでも調整できる。
今後自分でポートフォリオを考えるときにも覚えておきたい。
収入が増えたら、増えた分の50%を投資する
収入が増えたときの考え方も面白かった。
収入が増えたら、その増加分の50%を投資に回す。
残りの50%は生活水準を上げるために使ってもいい。
例えば、手取り収入が毎月4万円増えたのであれば、
- 2万円は投資
- 2万円は生活に使う
というような考え方になる。
収入が増えた分をすべて使ってしまえば、収入が増えても資産形成のスピードは変わらない。
一方で、増えた分をすべて投資に回すと、収入が増えても生活がまったく変わらない。
半分を投資して半分を使うのであれば、資産形成を進めながら生活も少しずつ良くできる。
分かりやすくて続けやすそうなルールだと思った。
知識を持っているだけでは足りない
『Just Keep Buying』に書かれていたことの多くは、まったく知らなかったことではなかった。
それでも読んでよかったと思う。
特に、自分が投資を始めたときの判断を振り返れたことは大きかった。
投資についての知識を知っていることと、その知識を使って自分で判断できることは違う。
僕は投資を始めたとき、まとまった貯金を何年もかけて投資した。
それが本当に合理的だったのかを、当時は十分に考えていなかった。
もっと知識をつけてもよかった。
分からないのであれば、自分で計算して比較してもよかった。
これは投資だけではなく、お金に関する他の判断でも同じだと思う。
誰かが「これがいい」と言っているからそのまま採用するのではなく、自分の場合はどうなのかを考える。
必要なら数字にして比較する。
今回の本を読んで、一番改めて意識したいと思ったのはそこだった。