『若くして豊かに引退する方法』を読んだ。

印象に残ったのは、具体的なお金の増やし方以上に、自分の考え方が、自分の行動の幅を決めているということだった。忘れないように、特に考えさせられた点を整理しておく。

「できない」で考えるのをやめない

本書では、自分の「コンテクスト(現実)」を広げることの重要性が繰り返し語られていた。

私なりの理解では、コンテクストとは、自分が「何を可能だと思っているか」を決める考え方の枠のようなものだ。

例えば、何かを思いついたときに「自分にはできない」「それは危険だ」と決めつけてしまうと、そこで思考が止まってしまう。その先にある方法を考えることも、行動することも難しくなる。

一方で、「どうやったらできるだろう?」と自分に問いかければ、少なくとも方法を探し始めることはできる。

もちろん、考えたことがすべて実現できるわけではない。それでも、最初から自分で可能性を閉ざす必要はないと思う。

大切なのは、この問いかけを一度だけでなく、習慣として持ち続けることだ。そうすれば、新しいことに挑戦する余地を自分の中に残しておける。

レバレッジを高める

レバレッジとは、より少ないもので、より多くのことを行うという考え方だ。

投資で使われる言葉でもあるが、ここで特に印象に残ったのは、仕事やビジネスにも当てはめられるという点だった。

例えば、次のようなことを考え続けたい。

  • 今やっていることを、どうすればもっと多くの人に届けられるか。
  • どうすれば、より少ない労働で提供できるか。
  • どうすれば、提供するコストや価格を下げられるか。

自分が働く時間を増やすだけでは、できることに限界がある。仕組みや技術、チームの力を使って提供できる価値を増やしていくことが重要なのだと思う。

ただし、ビジネスは必ずうまくいくわけではない。失敗する可能性を前提に、何回の挑戦を想定するか、失敗したらどうするか、不測の事態にどう対応するかまで考えておきたい。

挑戦し続けるには、勢いだけでなく、失敗を織り込んだ計画も必要だ。

望む未来から、今の行動を考える

計画を立てるときには、まず自分が何を求めているのかを考える必要がある。

  • 自分は、どんな暮らしや働き方を望んでいるのか。
  • 今やっていることは、その未来につながっているのか。
  • これから世の中がどう変わっていきそうか。

目の前のことに取り組んでいると、その行動自体が目的になってしまうことがある。

だからこそ、ときどき立ち止まり、今の行動が望む未来につながっているかを問い直したい。

起業家は、チームで課題に挑む

本書を読んで、起業家に対する見方も少し変わった。

起業家とは、単に自分で事業を始める人ではなく、優秀な人を集め、チームをつくり、一人では解決できない課題に挑戦する人なのだと思った。

そのためには、仕事をこなす能力だけでなく、人を巻き込み、方向性を示し、責任を引き受ける力が必要になる。

リーダーシップを身につけるには、機会を待つだけでなく、自分から責任者を引き受けてみることも大切なのだろう。

そのほかに印象に残ったこと

細かな学びも、忘れないように残しておく。

  • 税金については、専門家の力を借りる。 優秀なアドバイザーをチームの一員として考える。
  • 事業では、資産を増やすことを優先する。 自分への支払いを最後にする、という姿勢が紹介されていた。ただし、生活に必要なお金や資金繰りまで無視してよいという意味ではないと思う。
  • お金を得たいなら、まず与える。 お金や価値を気前よく分け与える、という考え方も印象に残った。
  • ファンダメンタルとテクニカルの両方を理解する。 投資について、異なる観点から判断できる知識を身につけたい。
  • 収入を生み出す資産を増やす。 資産にもさまざまな種類がある。保有する資産だけでなく、それらを獲得し、活用するための技術も身につけたい。
  • オプション取引について学ぶ。 売買によって資金を効率的に使えるという話が気になった。ただし、効率がよいことと安全であることは別なので、仕組みやリスクを理解することが先だと思う。

読み終えて

一番の学びは、特定の投資手法ではなく、「どうやったらできるか」と考え続ける習慣だった。

今の自分には難しく思えることでも、そこで思考を止めず、方法を探す。そして、少ない労力でより多くの価値を届けられる仕組みを考え、失敗も想定しながら挑戦する。

すぐに結果が出るとは限らない。それでも、この考え方を日々の仕事や事業づくりに取り入れていきたい。